漁業資源評価・管理計画調査(セネガル)

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開始: 2003
地域: アフリカ(サブサハラ)
分野: 開発調査
【案件背景】
セネガル国は年間40万トンを産する西アフリカ最大の漁業国である。セクターの抱える雇用は約60万人で、全就業人口の17%を占める。水産物の輸出も盛んで、一年間に外貨収入320百万ドルを稼ぎだす。このように漁業は食料生産、雇用、外貨などあらゆる面で同国最大の経済セクターである。しかし、近年は過剰漁獲による資源の疲弊から漁獲量が減少し、漁業全体が低迷している。セネガル政府は資源の持続的利用を目指し、科学的手法による漁業資源の現状把握ならびに資源管理手法の立案を内容とする技術協力を日本政府に要請し、国際協力機構が開発調査として実施した。
【実施内容】
調査は資源評価と資源管理の2つのコンポーネントに大きく分かれる。資源評価コンポーネントは、現地海洋研究所(CRODT)をカウンターパート機関に、我が国無償資金協力により供与された漁業調査船ITAF DEME号を用いて2度の海上調査を実施し、セネガル海域の水産資源現存量を明らかにした。また、CRODTに蓄積された体長組成データと本調査で実施した年齢査定結果により、双方が合意した商業的に重要な7魚種についてコホート解析を行い、資源の状態を科学的に明らかにした。資源管理コンポーネントは、海洋漁業局をカウンターパートに、零細漁村の現状、問題点、対策を漁民とともに明らかにし、その問題解決を図る過程で漁民主体の資源管理手法を実践する試みをパイロットプロジェクトとして実施した。パイロット活動は2つあり、ひとつはンブール県ニャニン村における漁民と行政による共同資源管理を導入し、漁民による共同出荷やそこから上がる利益を禁漁による収入源の補填に充てたマダコ、シンビウム(巻貝)の管理である。もう一つはダカール県イエン村における漁民参加による人工魚礁の製作・設置ならびに魚礁漁場の利用管理である。それらの成果を踏まえて資源管理計画を立案した。